アロマテラピーは、女性の間で広く認知されるようになっていますね。
ひそかに「アロマ男子」も増殖中なのをご存じでしょうか。
このように広く認知されるようになってきたアロマテラピーですが、
日本におけるアロマテラピーにイギリス式、フランス式と分類する呼び方があるのをご存じでしょうか。
私自身は、アロマテラピーと出会ったばかりのころは、「癒し」「リラックス」というイメージがとても強く、アロマテラピーにいろいろあるなんて思ってもいませんでした。
ところが7年前にアロマテラピーには「イギリス式」と「フランス式」と言われるものがあることを知ったのです。
初めてその言葉を聞いたときは「アロマテラピーにイギリス式、フランス式それはどう違うの?」と興味を持ちました。
いまでこそ、 その二つを区別して語ることが増えてきましたが、日本におけるアロマテラピーは、どちらが主流なのか?
また、アロマテラピーを学ぼうとするとき、どこをポイントに見て選ぶといいのか?
そのヒントとなるさまざまな背景についてまとめました。
アロマテラピーとはどんな療法なのか?
人類はよい香りのするあるいは薬用効果のある植物を、はるか昔から人の病気やケガの治療、健康、美の追求に活用してきました。
宗教的儀式にも芳香植物は使われ、欠かすことのできない存在としされてきました。
アロマテラピーは、芳香植物から香り分子を抽出した精油や、植物油、ハーブウォーター使用します。
植物のエッセンスの成分には、一部薬理作用があり、人のこころとからだに作用することがわかっています。
アロマテラピーとは、これらを私たちの健康や美のために役立てる療法のことをさします。
メディカルアロマテラピーとは?フランス式とイギリス式の二つのながれがあるアロマテラピー
日本にアロマテラピーが知られるようになったのはおよそ1984年ごろです。
イギリスから伝わったアロマテラピーは、美と癒しとリラクゼーションを目的としたもので精油を植物油等で低濃度で希釈して使用していました。
そして、1994年、ケモタイプ精油研究の世界的権威ドミニック・ボドゥーが来日し、「フランス式」と呼ばれるアロマテラピーが日本で認知され、NARD JAPAN(ナード・アロマテラピー協会)の発足のながれを作ることになります。
フランス式アロマテラピーは、医療や治療、状況や症状に合わせて精油濃度が1%から、高濃度まで皮膚塗布などの方法で使用する方法です。俗にいう、「メディカルアロマテラピー」という分野です。
日本ではどちらかというと、イギリス式のアロマテラピーが先に入ってきたこともあり、アロマテラピーと言えば、「癒し」と「リラクゼーション」のイメージが強いイメージですね。
NARD JAPAN(ナード・アロマテラピー協会)について詳しく知りたい方はこちら
フランス式、イギリス式アロマテラピーに影響を与えた3人の立役者
では、なぜ日本のアロマテラピーに、「イギリス式」「フランス式」と二つの呼び方の流れが生まれたのでしょうか。
それは、アロマテラピーに影響を与えた3人の立役者の存在を知るとその流れを理解することができます。
アロマテラピーという言葉は、1927年ごろにフランス人科学者、ルネ・モーリス。ガットフォセが「アロマ(aroma)」と「療法(therapy)を組み合わせて作った言葉と言われています。(※諸説あり)
まだ、抗生物質など十分にない時代のことです。
ルネ・モーリス・ガットフォセは、自らの実験で火傷を負い、痛みとガス壊疽という重篤な感染症に見舞われます。
その時に、ラベンダー精油を使用したところ、感染状態が劇的に改善し、傷の治癒が進んだため、その後精油の抗菌性の研究に没頭しそれらをまとめ、書籍を出版しました。
この時に、この療法のことを「アロマテラピー」とよんだというエピソードがあります。
一方、この精油を使った療法を医療現場で、実際に軍人のけがや治療に使用したのが、フランス人軍医のジャン・バルネでした。
アロマテラピーを活用し、治療成績をあげ、彼もその有用性に没頭し、いのち尽きるまでアロマテラピーのすばらしさを伝え続けた一人です。
癒しとして使うというよりは、まさにまさにメディカルアロマテラピーという精油の使い方そのものです。
そして、もう一人登場人物がいます。
同じ時代を生きた、元看護師マルグリット・モーリーです。
マルグリット・モーリーはルネ・モーリス・ガットフォセから精油を学び、研究を進めていくうちにそれまでの精油の使い方ではない、独自の使い方を研究していきました。
美と健康、癒しとリラクゼーションのために植物油で精油を希釈して低濃度で使用する方法を書籍にまとめ、イギリスで出版します。
それまで高濃度の精油をさまざまな形で使用していた方法から、低濃度で精油を希釈して、皮膚塗布する方法を、人々が広く使えるように紹介したのです。
これは想像ですが。
精油を高濃度で病気や治療にとメディカルアロマテラピーとして使うよりももっと身近で、一般の方がマイルドな使い方ができるようにモーリーさんはしたかったんじゃないかな?
ふとそんなことを考えました。
このイギリスで認知された精油を低濃度に希釈するアロマテラピーが、およそ1984年ごろに日本国内に広がりました。
メディカルシーンで使われる「フランス式」と呼ばれるアロマテラピーが日本にやってきたのは、その10年後になります。
どちらが自分に合っている?イギリス式、フランス式アロマテラピーの学び方、選び方
このように、アロマテラピーに「フランス式」、「イギリス式」という二つの流れがあることは知る人ぞ知る情報です。そして、この呼び方は、日本独特のものともいえます。
広い視野でみると、同じアロマテラピーであることには変わりありません。
しかし、その二つのアロマテラピーを比べたとき、精油の選び方、使い方(用法、用量)がずいぶん異なるため、便宜上区別することが必要な場面があります。
もし、あなたがアロマテラピーを学びたいと考えているとしたら、どんな選び方をするとよいでしょうか?
まず、アロマテラピーを身につけ、どう活用したいと考えているでしょうか?
アロマテラピーを健康管理や、お仕事として使いたいと考えているならぜひ「癒し」や「リラクゼーション」だけではないアロマテラピーの世界があることも知っておくと自分のめざすアロマテラピーを選ぶことができるでしょう。
おわりに
アロマテラピーという療法は、植物のエッセンスを活用した健康管理・療法です。
いまでこそ、私たちは芳香植物をごく普通に手に入れることができますが、先人たちにとっては贅沢で貴重なもので、場合によってはそれを獲得するために争いなどもあったわけです。
また、先人の努力でアロマテラピーという分野が発展してきたわけです。
そう考えると、自由に植物のエッセンスを使えるとてもいい時代に生まれたものですね。
わたし自身は、自分のからだの不調をアロマテラピーで改善させてきて、以前のように発熱する機会がほとんどなくなり、とても大きな恩恵を受けています。
メディカルアロマテラピーのフランス式、美容と癒しのイギリス式アロマテラピー
同じアロマテラピーであることには変わりなく、使う側が安全に使う方法さえ知っていればアロマテラピーのメリットが存分に活かすことができます。
いま、学びの途中ではありますが、自分や大切な人の幸福感や健康のために、植物のチカラを安全に効果的に使用できる環境にいることにしあわせを感じている今日この頃です。
ここまで読んで植物のエッセンスを使い、自分や大切な人のために活用できるようになりたいと思った方は、ぜひ、自分に合ったアロマテラピーの学び方をえらび、安全に活用して楽しんでくださいネ。
フランス式アロマテラピー、NARD JAPANアロマ・アドバイザーコースとは