季節の変わり目や、気温が下がったときにかかりやすい風邪
特に乾燥が強くなってくる11月ごろから「体調が悪い、風邪かな」という方が増えてきます。
もともとはよく、のどが腫れて発熱を起こすことがありましたが、アロマテラピーをうまく使うことで5年ほど風邪しらず
今回は風邪とアロマテラピーと対処法について26年看護師経験のあるわたし目線でまとめました。
風邪とは?
風邪とは、一般的にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱などの症状の総称を指し、正式には「風邪症候群」と言います。
原因の80%ほどがおよそ200種類のウィルス(コロナウィルスやライノウイルス、RSウィルス、アデノウィルスなど)が起こすといわれています。原因となったウィルスの種類の特定は難しいです。
また同じウィルスでも次々に変異を繰り返すため、人の身体は免疫を獲得することもできません。また、特効薬を作ることも難しく、現段階ではクスリはありません。
そのため、症状を和らげる対症療法をとり、ゆっくり体を休め、回復を待つというのが一番の治療法になります。
一方、インフルエンザはインフルエンザウィルスを原因とする感染症で、高熱、関節痛などを伴う急激な発症を起こす感染症で、風邪症候群とは異なるものとして対策が必要です。
風邪の特効薬はない
風邪は、先に述べたようにそのほとんどがウイルスが原因で起こるものです。
通常私たちのからだは、ウィルスや細菌などの「外敵」の侵入を簡単には許さない「免疫システム」を持っています。
24時間、絶え間なくこの免疫システムの働きにより、からだは守られています。
ところが、何らかの要因(疲労、ストレス、気温低下、乾燥など)でウィルスや細菌の勢力が優勢となり、さまざまな症状を引き起こします。
頭痛、発熱、のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳等の症状は、私たちのからだの免疫が強く闘っている証拠なのです。
風邪で病院を受診すると、お薬が出ることがありますが、風邪症候群には、実は特効薬がありません。
そのため、感染してしまうと自分自身の免疫力でウィルスの増殖力を抑え、回復させる必要があります。
それではどうやったらこのウィルスたちに対抗できるのでしょうか?
それにはちょっとした予備知識と対策が必要です。
実は免疫は、副交感神経が優位、リラックスしている状態の時によく働くことがわかっています。
そのため、免疫システムがしっかり働きやすいようにからだを休めることがとても大事なのです。
風邪の原因となる、ウィルスに対抗するには、
・ウィルスをからだに入れない(人ごみに行かない、手洗い励行)
・環境を調える(感染経路遮断)
・適度な湿度を保つ
・ストレスを解消する
・充分で質の良い睡眠をとる
・体温を維持し、体をひやさない
です。
風邪の時に使えるアロマテラピーの効果
風邪に使えるアロマテラピーの効果は、
- 精油の持つ抗菌・抗ウィルス作用を活用し、環境を整える
- 免疫系をサポートする
- 風邪のつらい症状を和らげるサポート
- からだをリラックスさせ、ゆっくり休めるようにサポート
等があげられます。
アロマテラピーの効果、仕組みについて詳しく知りたい方はこちらをチェックしてみてくださいネ。
風邪の予防からひき初めにも使えるアロマテラピー
精油には抗ウィルス作用や抗菌作用を示すものがあります。
また、免疫をサポートしてくれる精油もあるので、上手に組み合わせて使うとよいでしょう。
風邪の 流行期である冬には、自宅やスクールの環境を整えたり、適度な湿度を保つために超音波タイプのディフューザー(芳香器)を使用します。
ディフューザーに入れる精油は、ユーカリ・ラディアタやラヴィンツァラなどの精油です。
この二つを中心に、状況にあった精油を追加してブレンドオイルをつくり、 間欠的に拡散させる方法をとっています。
ユーカリ・ラディアタやラヴィンツァラには去痰、免疫調整が期待できる1.8シネオール、炎症をしずめ、眠りに誘う作用を期待できるα-テルピネオールという成分が入っています。
この他にも、ティートゥリーやローレル、ブラック・スプルースや、アカマツヨーロッパ、ラベンダー・アングスティフォリアなどその時の状態でいろんな精油をチョイスすることができます。
この精油の中からどれを選ぶの?というチョイスの判断は、自分自身のからだの状態と、やはり精油の成分に着目しています。
おもしろいのは、アロマテラピーは、予防の段階からつらい症状を支えるのにも使えるということです。
私はもともと幼少期からのどが弱く、のどからくる風邪で年に2~3回発熱し耳鼻科によくお世話になっていました。
あの時に、このことを知っていたら違った結果になっていたかもしれません。
なぜなら、今では、「あれ、ちょっとのどの調子がおかしいな・・・」というタイミングで、早めに対処しているので発熱やのどの炎症を起こすことはなくなりました。
なんと、気が付けば耳鼻科に5年以上もかかっていませんでした。
このように精油をうまくくみ合わせて使うことで生活の質が変わるという体験をしています。
風邪のつらいときに使えるアロマテラピー
風邪のつらい症状と言ったら、発熱、頭痛、のどの痛み、鼻水、鼻閉、咳、倦怠感などです。
風邪の症状は身体がウィルスと戦っている証拠で、一連の経過をたどらなければ回復しません。
とはいえ、このつらい症状が少しでも和らぎ、回復が早くなればそれに越したことはありませんね。
そこで、助けになる精油をいくつかご紹介します。
風邪の症状とアロマテラピー~発熱と痛み
発熱はからだの免疫部隊がウイルスなどと戦っている証拠です。
熱がでたら解熱剤などですぐに下げようとせずにからだを温め水分を充分にとりゆっくり休みましょう。
発熱の時に使うアロマテラピーはユーカリ・ラディアタ、ラヴィンツァラです。
ユーカリ・ラディアタとラヴィンツァラに含まれている成分は免疫をサポートしてくれます。
精油をディフューザーで簡潔的に拡散させたり、ブレンドオイルを胸部~のどに塗布、吸入などの方法もとりいれるとよいでしょう。
発熱とともに風邪のつらい症状と言えば、、のどの痛みです。
のどには免疫の『関所』のようなものがあります。
この『関所』にウィルスが侵入するとのどの炎症(戦)が起こり、痛みをおこします。
ひどいときには、唾液を飲み込むのもつらいときがあります。
水分も取れないほど呑み込みがつらいときは、早めに耳鼻科を受診することをおススメします。
のどの痛みがつらいときに支えとなるアロマテラピーは、ローレル、ウィンターグリーン、ペパーミントです。
これらは、「鎮痛効果を期待」しているので、のどの痛みだけでなく、からだの節々が痛いときにも使えます。
ただし、ウィンターグリーンはアスピリンアレルギーのある方は使えないので注意が必要です。
風邪の症状とアロマテラピー~鼻づまり
鼻づまりは、炎症によって鼻の中の粘膜が腫れ、鼻腔を塞ぐ ことにより起こります。
鼻水が詰まっていて苦しくなるわけじゃないんですね。
そこで、鼻の粘膜の炎症を緩和させるのに役立つのがユーカリ・ラディアタや、ラヴィンツァラです。
抗炎症の期待できる精油を使います。
鼻づまりには、ディフューズ(芳香)も良いですが、吸入もおすすめです。
ブレンドオイルを手のひらに塗り、口と鼻を覆って大きく深呼吸をするか、コップにお湯を入れ、1~2滴のユーカリ・ラディアタとラヴィンツァラを入れ、立ちのぼる蒸気をゆっくりと吸い込む方法です。
この方法は温かい蒸気が血行を良くしてくれるので、即効性が高いです。
注意ポイントは、蒸気は、ゆっくりと吸い込み、顔や目に蒸気がかからないように注意してください。
むせこみや、精油による、 目や皮膚への刺激を避けるためです。
風邪の症状とアロマテラピー~咳
咳は、ほこりやウィルス、細菌などの異物が、体に入ってこないように働く防御機能です。
風邪の時にでる咳は、気道に炎症が生じたり、気道に溜まった痰を出すために起こります。
風邪の後期には、痰などの排出で良く起こります。
そのため、咳はからだに必要な反応なので止める、というのは好ましくありません。
しかし、痰もでず、だいぶ良くなっているのに咳だけがしつこく残ることがあります。
咳のし過ぎで、体力が消耗したり、胸部(肋骨)が筋肉痛を起こすことがあります。
そんな時は、ユーカリ・ラディアタ、ラヴィンツァラに合わせて、『鎮痙攣作用』が期待できるエステル類を含む精油を合わせるとよいでしょう。
おすすめは、ラベンダー・アングスティフォリア、真正ラベンダーとも呼ばれる精油です。
この精油には鎮痙攣、抗菌、抗ウィルス、免疫調整、抗炎症が期待できる成分が含まれています。
個人的にとても大好きな精油で香りを嗅ぐとリラックス(副交感神経優位)できるので、よくブレンドしていました。
この他に「鎮咳作用」を期待できる成分を含む精油にサイプレス、ブラックスプルースがあります。
これらを組み合わせて、オイル、ジェル、クリームなどを作り、胸部に塗るとよいでしょう。
おわりに
今回、風邪のシーズンに効果のあったアロマテラピーをご紹介しました。
ご紹介したように、アロマテラピーは、風邪の予防にも使え、かかったときのつらい症状をサポートしてくれます。
アロマテラピーで病気を治療することはできませんが、病院へ行くまでの間、いざという時、また、受診後に早く回復できるように合わせて活用するとよいでしょう。
ポイントはやはり精油の成分を見て、状況に合わせて使うということ
また、間違った使い方をするとトラブルに見舞われることがあるので注意して使ってくださいネ。
アロマテラピーの基本をもっと知りたい方はこちらへ
→【初心者向け】アロマテラピーとは?その効果と日常での楽しみ方や使い方、注意点について