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気象病とアロマの活用|タイプ別のおすすめ精油と暮らしのセルフケア

アロマ

「雨が降る前になると、決まって頭が重くなる」

「天気がくずれる日は、なんだかだるくて、気分が晴れない」——

そんなふうに感じること、ありませんか。

私自身も雨が降る前には頭痛が出る、大荒れの天気の時は何となくだるくてやる気が出ない、といった不調があります。

天気で体調が左右されるのは、気のせいではありません。

こうした天気の変化による不調は「気象病」と呼ばれ、近年、悩む方がとても増えていると言われています。

気象病はなぜ起こるのか?

我慢するしか手立てがないのか?

この記事では、看護師の目線で気象病が起こるからだのしくみをひもときながら、アロマ(精油)の活用法を、不調のタイプ別のおすすめ精油と、暮らしの中でできる工夫やセルフケアとあわせてご紹介します。

精油の活用とほんの少しの工夫で、天気のすぐれない日も、少しでもラクに過ごせたら——

そんな思いを込めてまとめました。

気象病とは?天気の変化で起こる不調

気象病とは、気圧・気温・湿度といった天気の変化によって起こる、さまざまな心身の不調の総称です。

頭痛、めまい、肩こり、だるさ、関節の痛み、気分の落ち込みなど、症状は人によってさまざま。

「天気が原因」とは気づきにくく、原因不明の不調として見過ごされてしまうことも少なくありません。

なお、似た言葉に「天気痛(てんきつう)」があります。

これは気象病の中でも、頭痛や関節の痛み、古傷が痛むなど「痛み」に関する不調を指して使われることが多い言葉です。

この記事では、痛みも含めた不調全体をまとめて「気象病」と呼んでいきます。

特に多いのが、梅雨や台風の季節、季節の変わり目など、天気が大きく動く時期です。

潜在的に悩んでいる方はとても多く、「自分だけかな」と感じていた不調が、実は天気と関係していたなんてことも、珍しくないのです。

また、気象病は男性より女性に多いと言われています。

これは、女性ホルモンと自律神経が深く関わっているためです。

ホルモンの分泌をつかさどる脳の視床下部は、自律神経の中枢でもあります。

そのため、月経周期や更年期など、ホルモンがゆらぎやすい時期は自律神経も揺れやすく、そこに天気の変化が重なると、不調が出やすくなると考えられています。

「生理前は頭痛が出やすい」という方が、天気の変化でも頭痛が出やすい、といったつながりもあります。

まずは、「これは気象病かもしれない」と気づくこと—-

それにより、何らかの手立てを打つことができ、楽に過ごせるようになるための第一歩になります。

⭐更年期とアロマテラピーケアのポイントについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

更年期の自律神経を調えるアロマとは?|自分に合う精油の選び方
更年期のイライラ・のぼせ・不眠は、ホルモン変化による自然な反応です。自律神経の揺らぎに寄り添うアロマの選び方を、看護師・NARDアロマ講師がメディカルアロマの視点から解説します。

なぜ天気が変わると不調が起きるの?(からだのしくみ)

ではなぜ、天気によって体の不調を感じるのか?についてひも解いてみましょう。

「なぜ起こるのか」がわかると、「どんなケアが理にかなうのか」も自然と見えてきます。

内耳が気圧の変化をキャッチする

天気の変化を最初に感じ取っているのは、耳の奥にある「内耳(ないじ)」という器官だと考えられています。

内耳には、からだのバランスをつかさどる三半規管などがあり、ここが気圧のわずかな変化を敏感にキャッチするセンサーの役割をしていると言われています。

気圧が大きく変化すると、内耳は「変化が起きた」という情報を脳にたくさん送ります。

この情報が過剰になることが、めまいや頭痛の引き金のひとつになると考えられています。

自律神経が乱れてしまう

内耳からの情報を受け取った脳は、自律神経を通じてからだを調整しようとします。

自律神経は、活動モードの「交感神経」と、休息モードの「副交感神経」の2つがバランスを取りながら、体温や血流、内臓のはたらきなどを無意識に整えてくれている神経です。

私たちのからだには、環境が変わっても一定の状態を保とうとする「ホメオスタシス(恒常性)」という仕組みが備わっています。

ところが、天気の変化が激しかったり頻繁だったりすると、その調整が追いつかなくなり、自律神経が酷使されてバランスを崩しやすくなります。

これが、気象病のさまざまな不調につながると考えられています。

つまり気象病は、「天気の変化 → 内耳がキャッチ → 自律神経の乱れ → 不調」という流れで起きていると整理できます。

だとすれば、ケアの方向性も見えてきます。

乱れた自律神経を、やさしく整えてあげることです。

気圧・気温・湿度——どれが変わるかで不調は違う

ひとくちに「天気の変化」と言っても、変わるのは気圧だけではありません。

気温や湿度も同時に動きます。

そして、どれが大きく変わったかによって、出やすい不調の傾向が少し違うと言われています。

  • 気圧の変化が大きいとき:だるさ、眠気、めまい、頭痛が出やすい
  • 気温の変化(寒暖差)が大きいとき:肩こり、頭痛、気分の浮き沈み
  • 湿度が高いとき:これらに加えて、関節の痛みやむくみが出やすい

もちろん症状の出方は人それぞれですが、「今日は重だるい頭痛タイプ」「今日はだるくて気分が晴れないタイプ」と、自分の不調の傾向をなんとなく知っておくと、必要なケアを選びやすくなります。

次の章では不調のタイプ別に合ったセルフケア、精油の選び方についてご紹介します。

なぜアロマが気象病のセルフケアに向いているのか?

「気象病にはアロマがいい」とよく聞きますが、「なぜ精油が不調に寄り添えるのか?」まで説明されることは意外と少ないかもしれません。

ここにも、ちゃんと理由があります。

精油がからだにはたらきかける道は、大きく分けて2つあると言われています。

① 香りが脳に伝わる道(嗅覚から自律神経へ)

香りの分子は、鼻の奥でキャッチされると、感情や本能をつかさどる「大脳辺縁系」や、自律神経の司令塔である「視床下部」へ、ダイレクトに伝わることがわかっています。

五感の中で、嗅覚だけがこの近道を持っているのが特徴です。

先に述べたように、気象病には自律神経の乱れが関わっています。

だとすれば、その司令塔「視床下部」に直接はたらきかけられる「香り」を取り入れるのは、理にかなったセルフケアのひとつと考えられます。

② 成分がからだに取り込まれる道(皮膚・呼吸から血流へ)

精油が体に働きかけるもうひとつのルートとして、「皮膚塗布」があります。

精油は植物の成分がぎゅっと凝縮された香りの分子の集合体です。

香りの成分は、植物油で薄めて肌に塗ったり、呼吸とともに取り込まれたりすると、血流に乗ってからだにはたらきかけると言われています。

香りで気持ちを整えるだけでなく、成分そのものがからだに届く——この2つの道があるのが、精油の面白いところです。

このように、気象病におけるからだの不調に対して、アロマテラピーを活用することは「香りを嗅ぐ」使い方と「薄めて皮膚に塗布する」使い方、その両方が活きてきます。

次の章では、タイプ別にあったセルフケア、「どの精油を選ぶとよいか?」について、その理由もそえながらご紹介します。

タイプ別・気象病におすすめの精油と過ごし方

ここからは、冒頭であげた症状を「痛み・こり」「だるさ」「気分の落ち込み」の3つのタイプに分けて、おすすめの精油と過ごし方をセットでご紹介します。

「絶対にこれ」という正解はなく、心地よいと感じる香りを選ぶのが一番です。

「こういうときに合いそう」という目安として読んでみてください。

痛みやコリが出る

天気が荒れるとき、頭痛がしたり、肩こりがひどくなるなどの「痛み」があるときに使えそうな精油は次の通りです。

おすすめの精油

  • ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)
  • マジョラム

頭痛持ちさんの場合

「もともと、頭痛持ちだ」という方は、天気の影響を受けやすい可能性もあります。

一度、医療機関で相談しておくと、ご自身の頭痛のタイプがわかって、対処もしやすくなります。

つらい日は、まず無理をせず休むことがいちばんのケアです。

そのうえで、心地よいと感じる香りをそばに置いて、ホッとひと息つく時間をつくってみてください。

なお頭痛は、タイプによって「温めるとよい場合」と「冷やして静かに休むとよい場合」があり、対処が逆になることもあります。

強い頭痛や、いつもと違う頭痛のときは、我慢せず受診することをおすすめします。

また、痛みのタイプについては、よく観察をし、どんな時に強くなるか記録しておくとよいでしょう。

その他のセルフケア

首や肩のこりがあると、頭痛を強めることがあります。

また、筋肉がこわばって血流が滞ることも関わってきます。

軽いストレッチで動かしたりすると、ほぐれて楽に感じられることがあります。

その場合は、精油をブレンドしたオイルなどを軽く塗り、香りでひと息つきながら、ゆっくりほぐしてみてください。

だるさが出やすい

気圧が下がるときに、カラダが重く感じ、ぼ~っとして集中できない—

そんな日におすすめの精油は次の通りです。

おすすめの精油

  • グレープフルーツ
  • レモン
  • ローズマリー・シネオール
  • ユーカリ・ラディアタ
  • ブラック・スプルース

過ごし方のヒント

だらだら過ごすと、かえって重さが長引くことも。

朝はカーテンを開けて光を取り入れ、軽い家事や散歩でからだをやさしく動かすと、エンジンがかかりやすくなります。

スッキリ系の香りを、朝のリフレッシュにそえてみてください。

またやる気が起きない、という時はコーチゾン用作用が期待できる、精油も活用してみるとよいでしょう。

※柑橘系精油は、使用上の注意点があります。

次の章の「精油の注意ポイント」で確認して使用するとよいです。

気分の落ち込み

雨でどんより—気持ちまで沈みがちな日におすすめの精油は次の通りです。

  • オレンジ・スイート
  • ベルガモット
  • グレープフルーツ
  • マンダリン
  • プチグレン

過ごし方のヒント

無理に元気を出そうとしなくて大丈夫です。

好きな香りをそばに、深呼吸でひと息ついてみてください。

また、できる範囲で、軽くからだを動かしたりすると、気持ちが少しずつ上向きやすくなります。

精油のチカラを借りる場合、セロトニンの生合成に関連する注目されている成分を含む精油を選ぶとよいでしょう。

※柑橘系精油は、使用上の注意点があります。

次の章の「精油の注意ポイント」で確認して使用するとよいです。

精油の取り入れ方

精油の具体的な取り入れ方をご紹介します。

気軽にやりやすい方法で試してみてください。

香りを嗅ぐ

一番手軽なのが、香りを嗅ぐ方法です。

まずはここから始めるのがおすすめです。

  • ティッシュやコットンに1〜2滴落として、そばに置いて深呼吸する
  • アロマストーンや素焼きの石にたらして、デスクや枕元に
  • ディフューザーでお部屋に広げる

朝のリフレッシュにも、夜のリラックスにもすぐに取り入れやすい方法です。

香りを変えるだけで気分の切り替えスイッチになります。

希釈して、皮膚に塗布する

少し手間はかかりますが、精油成分をからだに届けるもうひとつの方法が皮膚塗布です。

  • 植物油(ホホバオイルなど)などで薄めて、首すじ・こめかみ・手首などにやさしく塗る
  • 持ち歩けるロールオンを作っておくと、外出先でもサッと使える
  • 入浴時に、植物オイルや乳化剤で薄めてから湯船に(原液を直接お湯に入れないように)

濃度の目安は、ボディなら1%程度(植物オイル10mlに精油2滴ほど)から取り入れてみましょう。

初めての精油は、まずパッチテストをしてから使いましょう。

⭐アロマテラピーを初めて使う、という方はこちらの記事を参考にしてください。

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精油を心地よく使うための注意ポイント

精油は植物の力が凝縮されたものだからこそ、いくつか知っておくと、安心して長く付き合えます。

「禁止」ではなく「こうすれば安心」という気持ちで読んでみてください。

柑橘系(レモン・ベルガモット・グレープフルーツなど)

柑橘系精油は、一般的にお肌につけたあとの日ざしに注意が必要です。

成分の性質上、肌についた状態で紫外線を浴びると、シミなどの原因になることがあるためです。

お肌に使うときは日中の直射日光を避けると安心です。

香りを楽しむだけなら問題ありません。

妊娠中・授乳中の方、小さなお子さんに使う場合

精油は、作用の強い成分や、妊娠中の方、小さい子供さんには使わない方がよい成分を含むものがあります。

こちらの記事で紹介しているラベンダーやオレンジ・スイートなどは、子供からお年寄りまで比較的安全に使用できる精油です。

ただ、トラブルを全く起こさないというわけではないので、その場合は、皮膚塗布は避け、香りを楽しむ方法を取り入れると安心です。

日常生活で心掛けたいこと

つらいときの対処に加えて、毎日の習慣も自律神経を整える土台になります。

どれも、無理なく続けられるものから取り入れてみましょう。

どれも自律神経を調えることにつながっています。

  • 起きる時間・休む時間を、できるだけ一定に
  • ウォーキングやストレッチで、無理のない範囲でからだを動かす
  • 湯船にゆっくりつかって、からだを温める
  • 両耳を軽くつまんで上・下・横に引っ張ったり、くるくる回したり(内耳まわりの血流に)
  • 十分な睡眠をとる
  • 週間天気予報や、気圧アプリ(頭痛ーるなど)で「崩れそうな日」を先読みして、予定を詰め込みすぎない

まとめ|天気と上手に付き合うために

気象病は、「天気の変化 → 内耳がキャッチ → 自律神経の乱れ → 不調」という流れで起こると考えられています。

だからこそ、自律神経にやさしくはたらきかける香りと、それを支える生活の工夫が、理にかなったセルフケアになります。

大切なのは、「天気のせいだから仕方ない」とあきらめてしまわないこと。

仕組みを知り、その日の自分に合った香りを選べるようになると、天気とのつき合い方が、少しずつラクになっていきます。

また、何が何でもアロマテラピーでどうにか解決しようとしない姿勢も大切です。

気になる症状が続くときや、つらいときは、無理をせず医療機関に相談することが適切なケアになります。

※本記事は、気象病・天気痛のメカニズムに関する一般的な情報をまとめたものです。

つらいときや症状が続くときは、自己判断やセルフケアで対処せずに、必ず医療機関にご相談ください。


  • 参考サイト

せたがや内科・神経内科クリニック(久手堅司)「気象病による頭痛の特徴とその対策


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